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HOME > トピックス >米国消費者製品安全委員会がベビーベッドガードに新基準を提案
アメリカ消費者製品安全委員会(CPSC:Consumer Product Safety Commission)は、ベビーベッドに使われるバンパー、日本では、ベビーベッドガードと呼ばれることが多い商品に関して、新安全基準を策定しようとしているとのことです。
アメリカでは、日本と比較してこの商品の使用頻度はずっと高いようです。
CPSCは、商品名を「Crib Bumpers」と記載しています。
この新しい安全基準は、任意の基準ではなく、強制基準として作成され、基準に合わない商品は販売ができなくなるようです。
例1. 赤ちゃんに与えてあげられる最高の贈り物は、安全で安心できる睡眠環境です。
中綿入りのベッドバンパーを設置すれば、赤ちゃんがベビーベッドの堅い柵にぶつかったり、はさまったりするのを防げます。
リボンを結んでずれないよう固定します。
例2. 赤ちゃんの頭や手足をやさしくガード ベビーベッドの柵に赤ちゃんの頭や手足が当たるのをやさしくガード。
エアコンや扇風機、ヒーターなどの直接の冷風や温風から、赤ちゃんをやさしく守ってくれます。
ベビー用品では、ベビーベッドだけが強制基準となっています。
事実上はチャイルドシート(自動車用品として強制基準となっています。)との2つだけです。
アメリカでは近年、次々とベビー用品に新しい強制基準が定められています。
例えばベビーチェア・ベビーバスなども強制基準が定められています。
以下がCPSCが発表した内容です。翻訳が不十分だったりする場合があります。必要に応じて、CPSCのwebsite「CPSC Advances Rulemaking on Crib Bumpers to Protect Infants; Proposed Rule Would Remove Padded, Pillow-like Bumpers from the Market」にてご確認をお願いします。
2020年3月26日発表
リリースナンバー:20-100
ワシントンD.C. -パッド付きベビーベッドバンパーに関連する窒息死から乳幼児を守る為の努力の中で、先週先週米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、全会一致で、ベビーベッドのバンパーに関する連邦安全基準制定を勧めることとしました。
提案された基準は、最低限の通気性の要件を満たさない、パッド入りの枕のようなバンパーの販売を禁止します。
規則制定提案の告知(NPR)*1 は、乳児の負傷および死亡のリスクを低減するために、現在の自主的なASTM規格*2 をより厳しい要件に置き換える、ベビーベッドバンパーの強制安全基準となっています。
最も注目すべき変更は、新しい通気性に関する要件であり、バンパーはメッシュライナーと同様な最低限の通気性を可能にする必要があることを提案しています。
十分な通気性がないと、幼児が、ベビーベッドバンパーに寝返りして、バンパーとマットレスの間に挟まれたり、バンパーの枕状の表面が幼児の口と鼻を完全に塞いだりすると、窒息することがあります。
新しい通気性の要件に加えて、提案された基準は、許容されるベビーベッドバンパーの厚さを2インチ未満に減らし、ベビーベッドバンパーに堅さの要件を追加します。
当局は現在、その提案についてコメントと代案を求めています。連邦登録通知を参照してください。
以上がCPSCの告知です。
例1.従来のbumper pads for baby crib | 例2.メッシュタイプの物も売られていました。 |
例1. 従来のbumper pads for baby crib(ベビーベッドのためのバンパーパッド)です。市場の中心はまだここにあるようでした。(2020.05.14)
説明は次のようなものでした。
洗濯機で洗えます。軽くて耐久性があって、毛玉が出にくい。赤ちゃんの敏感な肌に優しい。
詰められた高密度のマイクロファイバーは、あなたの赤ちゃんの頭をベビーベッドのレールから保護して、腕と頭がキャッチされることから防ぎます。 また、赤ちゃんがベビーベッドの柵を噛むことを防ぎます。
例2. メッシュタイプの物です。今回の基準はメッシュタイプのものにするという意図ではないようですが。
キャッチコピーは、
Breathable(息ができる), Safer for Baby(赤ちゃんにより安心), Non-Padded(パッドが入っていない), Breathable
Mesh Crib Liner。
*1 規則制定提案の告知(NPR)(原文では、The notice of proposed rulemaking (NPR)となっています。)をどのように訳すかについては SOMPO未来研究所 損保ジャパン総研クォータリー 1997年7月17日発行 Vol.21
アメリカ消費者保護行政における規則制定手続に関する考察 -製品安全に関する規則制定手続にみるわが国行政手続との相違に関する検討-卯辰 昇
を参考にさせていただきました。
また、行政手続法に関しては、明治大学社会科学研究所紀要第29巻第2号1991年3月
アメ リカの行政手続法と行政官 の行為 田中舘 照橘
特に むすび を参考にしました。
また、次も参考にしました。
明治大学社会科学研究所紀要第31巻第2号1993年3月
アメ リカの行政立法手続とわが国の行政立法手続に関する考察 田中舘 照橘
NPRは、以下に記載のアメリカ行政手続法553条bに規定されています。
NPRに関する実際の法規は、次のようになっています。
アメリカ行政手続法 (合衆国法典第5巻第5章行政手続)
第5章行政手続(抄)
553条(規則制定)
(b) 規則を制定しようとするときは、連邦公報に公告しなげればならない。但し規則の適用を受けるすべての者が指名され且つ個人的に送達され、又は法律に従いその他の方法により現実に通知を受けるときは、この限りでない。公告には、左に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 規則制定手続の行われる日時、場所及び性質の表示
(2) 規則提案の根拠となる行政庁の法的権限
(3) 規則案の全文若しくは大要、又は当該規則案の主題及び問題となるべき事項の説明
*2. ASTM規格 は、世界最大規模の標準化団体であるASTM International(旧称 American Society for Testing and Materials:米国試験材料協会)が策定・発行する規格です。
ASTMは任意規格ですが、一部の規格は米国政府の法令の中に盛り込まれ、強制適用となっています。
日本のJISやSGマークと同様のイメージですが、ASTMは、ASTM規格に準拠するか否かの検査・認証は行っていません。
自社または第三者検査機関での試験等により、ASTMの規格を満たすと判断した製品は、ASTMの規格番号をパッケージ等に記載できます。
ただし、ASTMの規格番号が記載されていても、ASTMから認証や承認を受けたことを意味するものではありません。
JIS(日本産業規格 旧日本工業規格)は、適合しない製品の製造、販売、使用などを禁ずるものではない任意規格ですが、法律に基づき主務大臣が制定する規格ですので、任意の国家規格です。製品にJISマークを表示するには、登録認証機関による審査を受ける必要があります。(現在は、製品規格への自己適合宣言もできるようです。)