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従来のチャイルドシートの安全基準は、ECE R44/04*1と呼ばれるものでした。
ECE R129はチャイルドシートの新しいEU安全規制です。2013年7月に導入されました。
R129は、ISOFIX(アイソフィックス)のチャイルドシートにのみ適用されます。
その特徴は、チャイルドシートを選ぶ際に、お子様に合うものを選びやすくし、側面からの衝撃に対する保護を強化し、子供を進行方向に対して後向きに座らせる期間を長くすることです。
R129とR44は並行して運用*2されます。
チャイルドシートを購入する際は、R44/04またはR129を満たすチャイルドシートであれば、どちらを購入しあるいはレンタルして使用しても適法となります。
また、現在チャイルドシートをご使用中であれば、そのご使用のチャイルドシートをR129のものと交換する必要はありません。
ある時点で(日付は設定されていません)、法律ではおそらく販売の許可が、R129適合のチャイルドシートのみとなるものと思われます。
しかし、販売が終了したとしても、既存のECE R44に適合のチャイルドシートを使用することはできます。
将来的には、前向きのECE R129シートが導入される予定です。
ECE R129のチャイルドシートは、セミスぺシックだったECE R44/04のISOFIXチャイルドシートとは異なり、すべてのECE R129承認車両にも適合することになっています。
しかし、現在すべての自動車が対応しているわけではありません。
2017年7月以降に新たに形式認定を受けた自動車が対応することになります。それらの数は今後数年間で順次増加すると思われます。
ECE R44/04がチャイルドシートの安全基準であることは広く知られていると思います。
では、「ECE」とはなんでしょうか。
「r44/04」とはなんでしょうか。
ご参考にご案内します。
最初に、この安全基準の表記がメーカー各社で若干異なっています。
ホームページ等の表記は、
コンビ社は「UN R44/04 適合商品」、
アップリカ社は「UN基準(UN-R44/04)適合」、
カーメイト社は「UN(ECE)R44 合格品」と最近は表示しています。
*各社の表記は、2020年2月27日に再確認しています。)
従来はヨーロッパ基準という表記が多かったのですが、日本の基準ではないかのようなので変更したものと思われます。
表記について順番に説明します。
各社が「UN」と書いている、UNは、国際連合(United Nations)を示しています。
ECEは、国際連合欧州経済委員会(United Nations Economic Commission for Europe)を示しています。
国際連合欧州経済委員会は、国際連合の経済社会理事会の地域経済委員会の一つです。
チャイルドシートの安全基準を作っているのは、国際連合欧州経済委員会(United Nations Economic Commission for Europe)の下部組織である自動車基準調和世界フォーラム(World Forum for Harmonization of Vehicle Regulations)です。
日本はこの自動車基準調和世界フォーラムの加盟国となっており、基本的にはヨーロッパと自動車の安全基準を共有しています。
次は「R44」です。
R44は、チャイルドシートの安全基準を示しています。
そして「/04」は改訂版を示しています。
最初の版はR44ないしR44/00で、改訂版がR44/02ですので、/04は、3回目の改訂をされているということになります。
したがって、「ECE R44/04」は、国際連合の経済社会理事会の国際連合欧州経済委員会の下部組織である自動車基準調和世界フォーラムが定めた自動車の安全基準の44条(チャイルドシートに関する規定)の3回目の改訂版ということになります。
ECE R44/04とECE R129は、並行して運用するとECE R129には記載されていましたが、ISOFIXのチャイルドシートについては、新しい形式認定はR129のみとなっています。
日本では、ECE R44/04では、新しい形式認定は受けられないようです。
国土交通省平成28年度第3回車両安全対策検討会(2017.3.30)資料3-3によると、
「一体型汎用 ISOFIX 年少者用補助乗車装置について、新たに型式指定を受けるものから UN-R129 への適合を義務付けます。」
とあり、平成29年6月に改正を行い、平成29年9月から適用すると記載されています。
ところが、2020年2月にコンビから発売されたisofix装着のチャイルドシート、セイブトレック ISOFIX エッグショック TAは、「UN
R44/04 適合商品」とされています。
商品の裏面を見ると
本体の安全基準適合表示を見ると「ECE R44/04」という文字が見えます。
国土交通省の方針とは異なりますが、これは、安全基準適合をオランダで受けているためではないかと思います。
丸の中にE4というのが見えると思いますが、E4はオランダを示しています。
日本だとE43です。
ECEの適合は、どちらかの国が認証すると、その認証を他の加盟国も同様に扱うことになっています。
したがって、日本の方針とは異なりますが、オランダで認証を受けていると、日本でも認証を受けたものとして流通させることができるというわけです。
多分、オランダは、isofixでもECE R44/04での認証を継続しているものと思われます。
同様に、同タイプのisofix装着のアップリカの「フォームフィット AB」(2019年7月発売)も底面に「UN規則(UN-R44/04)適合」と記載されています。
こちらはE11つまりイギリスで認証を受けているようです。
2020年2月現在、一般に販売されているISOFIXのチャイルドシートは、大半がECE R44/04で形式認定を受けたものです。
ECE R129で形式認定を受けたものは各社1、2機種程度です。
例えばコンビ社は、2019年5月に発売された「プロガード ISOFIX エッグショック RK」のみでしたが、2019年12月に「THE S ISOFIX
エッグショック ZA-670」が発売されました。
アップリカ社は、フラディアグロウISOFIX360°シリーズとクルリラ360°セーフティとクルリラプラスのシリーズです。
カーメイト社は該当がないようです。
後ろ向き装着の期間に関して従来のECE R44/04は、12ヵ月ないし15ヵ月までとなっています。
ECE R129では、生後15ヵ月までは後ろ向き装着となっています。
参考にアメリカのチャイルドシートの安全基準であるFMVSSを見ると、後ろ向きで2歳あるいはそれ以上となっています。
愛育ベビーでレンタルをしているチャイルドシートのトリビュート(イーブンフロー社)のウェブサイトを見ると、
後向き:新生児から3才位まで(体重:2.3~18kg、身長:48~94㎝まで)
となっており、約2才までは後向きで使用することが推奨されております。との記載があります。
尚約1歳位(体重:9kg)からは、前向きで使用できます。
前向き:1~4才位まで(体重:9~18kg、身長:71~102㎝まで)と記載されています。
コンビチャイルドシート、セイブトレック ISOFIX エッグショック TAの裏面の安全基準適合本体表示
をご覧になると、
「universal」と書いてあります。
universalは、汎用と訳され、車の側のuniversal仕様の座席に取り付けられます。
アップリカのフォームフィット AB底面の安全基準適合本体表示
をご覧になると、「universal」と「semi-universal」と書いてあります。
「semi-universal」は、準汎用と呼びます。メーカーの車種別適合表を確認するよう求められています。
思いっきり丸く言うと
「universal」は、どの車にも取付できる建前です。
「semi-uniersal」は、ほとんど取付できますが、たまに取付できない車もあるので、建前としては、車種別適合表で取り付けできるか確認をして下さい。
ということです。
尚、コンビのチャイルドシート、セイブトレック ISOFIX エッグショック TAに記載されている「class B」は、「前向きに装着する小型サイズのチャイルドシート」を、表しています。
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