赤ちゃんの予防接種回数は、半年間で15回以上にもなります。なかなかの負担ですが予防接種は赤ちゃんの病気を劇的に減らしているようです。
アメリカの小児科学会(*1 American Academy of Pediatrics:AAP)は、研究の成果としての、「7つの大きな成果」、の第一にロタウィルスとヒブの予防接種を上げています。
アメリカの小児科学会のホームページの該当記事を参考に翻訳してみました。
正確にはAAPの原文をご確認ください。
米国小児科学会(AAP)のロゴです。
*1:アメリカ合衆国における小児科学分野の学会。殆どのアメリカ人小児科医が会員となっており、全ての乳幼児、青少年のために最適な体や心の健康、社会的な健全さ、幸福を実現することを使命とする。Ref. ウィキペディア
以上の7つが挙げられています。
以下一番目に挙げられている「生命を救う予防接種による病気の予防」についてを記載します。
ロタウイルス感染症は、世界中の子供の、重度の下痢性疾患および脱水症の主要原因となっていました。
2008年には、5歳未満の世界中の約450,000人の子供が、現在はワクチンで予防可能なロタウイルス感染で死亡していました。
ワクチンの開発以前は、ロタウイルスは、米国においても5歳未満の小児に、毎年20〜60人の死亡を引き起こしていました。
ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib ヒブ)は、脳炎(髄膜炎)、肺炎(肺炎)、重度の咽喉炎(喉頭蓋炎)を含む5歳未満の小児において、様々な種類の疾患を引き起こす細菌です。
Hibワクチン開発以前は、毎年約2万人の米国の子どもが、Hib感染し、1,200人にのぼる子供が死亡していました。
ワクチンの研究には、研究所でのワクチンの開発、ヒトでの有効性のテスト、予防接種の方法のテスト、予防接種に対する障壁の削減などの長い過程が必要となります。
ロタウイルス感染を予防するためのワクチンの開発に関する研究は、1970年代半ばに始まりました。
研究は、子供の免疫系に対するロタウイルスの影響を明らかにし、ウイルスへの初期暴露が将来の病気からその子供をどのように保護したかを明らかにしました。
プロトタイプのロタウイルスワクチンが作られた後、その後の研究では、安全性を最大限に高めながら効率を改善する方法がテストされました。
研究と多くの有効性と安全性試験に続いて、広範な公衆使用のための最初のロタウイルスワクチンが2006年に承認されました 。
Hibについては、研究により、Hibからの最も重篤な感染は、未熟な免疫系のために、幼い幼児に発生する傾向があることが示されました。
Hibの感染からの幼児の保護を最大限にするために、2ヵ月齢で最初に投与されるという複数用量のワクチンスケジュールが作成されました。
ロタウイルスの予防接種のスケジュールを完全に受けると、胃腸炎の発生率は86%減少、胃腸炎の入院は96%減少します。
また、ワクチンの投与以来、毎年のHib感染の症例は99%減少しました。 現在、Hibによる死亡のほとんどは、予防接種が日常的ではない開発途上国で、発生しています。
日本では、ヒブは定期接種(必ずして下さいという分類)です。ロタウィルスは、任意接種です。
少し 前の世代には、耳慣れないヒブですが、ヒブの予防接種が定期接種となっている理由と、「生後2ヵ月に」となっている理由もご理解いただけたのではないでしょうか。
予防接種により発生が減ると、姿が見えなくなるので、怖くない病気のような気がしてしまいがちとのことです。
予防接種によって病気の発生が防げていることを忘れないでください。
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